今日は教育書になります。『2040 教育のミライ』という本です。この本は、ソニーの教育部門の会長をしている礒津政明さんという方の本です。
本書の最初は漫画になっているのですが、この漫画が非常に面白く大胆なミライ予想を描いています。2040年には、教育への価値観が大きく変わるだろうと思いました。というか、変わらないといけません。
この本を読んで私が感じたことは、「教育観が大きく変わるから、今のうちに自分も変わらなくてはいけない」ということです。
本書にも未来を予想してそこから逆算していく能力が大事であると述べられています。その部分を以下に引用します。
未来予測というのはやはり教育の場でも、ものすごく大事だと私は考えています。「予測」には2種類あって、フォアキャスト(過去や現在のデータから未来を予測する)とバックキャスト(ミライの状況を想定してそこからいま何をすべきかを考える)がありますが、生徒にはいつもバックキャストの大切さを伝えています。(中略)そういう意味で、子ども・大人に関係なく、人間が集団を作って何かしようというとき一番大事なことが、俯瞰力とバックキャスティング力だと思います。
『2040 教育のミライ』より
未来のことというと、web3とかDAOとかは少し興味があって調べたことはありますが、教育にどのように関わるかということは全然考えていませんでした。
しかし、今後はメタバース含め教育に少しずつですが影響を与えるのだなと本書を見て感じました。これを機に、デジタルのリテラシーを高めていきたいと思いました。
今回は、今の学校の現状を踏まえて、本書の未来予測から今できることを考えていきます。皆さんの参考になれば幸いです。
1学校の問題
私が小中学校における一番の問題だと思うのは、学校の意義が「社会性や協調性を身につけるための場」になっていて、「生徒の個性を尊重し、個性に合ったサポートをする」ことがないがしろにされてしまっていることです。
『2040 教育のミライ』より
時代が求める人間像は変化していくのに、学校の求める人間像は前とほとんど変わらないということはよく言われる話です。
本書にもありますが、今の学校は「学力」にかなりの比重を置いています。学力が低いというだけで落ちこぼれになってしまうのが今の教育システムです。
私も現場にいるからわかりますが、現行の学習指導要領では、学ばなけれならないことが多すぎて学力以外の力を育みにくい現状になっています。
それが教師と子どもを疲弊させ、お互いに余裕のない状況になっています。本書でも語られていますが、学習指導要領の内容をもっと減らすべきだと考えています。
もしかしたら次回の改訂の時には変化しているかもしれません。
また、学校は社会性を身につける場であることがメインになっているのは私も同じ考えです。チーム○組やみんなで協力といったことが当たり前で、集団で動くことが当たり前になっている。
ただ、集団行動は大切だと思っています。集団で動くべき時が多すぎるんですよね。必要な時には協力し、それ以外では自分の学びを大切にできる空間を作っていきたいなと強く感じました。
2子ども中心の学び
【①個を軸にした学び】
「個を軸にした学び」とは、いまの画一的な詰め込み型教育から脱却して、できるかぎり子ども一人ひとりの特性に合わせた教育に変えていくことです。具体的には「学習指導要領の大幅削減」、「選択科目の大幅な拡張」、そして「総合評価の導入(脱ペーパーテスト)」が不可欠です。
【②探求型学習】
一律で教える科目を減らし、ペーパーテストの割合を下げることで、子どもたちに時間的、精神的余裕が生まれます。そこで生まれた時間を使って未来クリエイターを育むマインドセットやスキルを身につけてもらう。その有効的な手段が「探求型学習」です。
【③プログラミング教育】
あらためてプログラミング的思考を私なりに定義すると、「物事のしくみを深く分析・理解し、具体と抽象を行き来しながら、新しい物事を創造的に生み出す思考方法」です。
『2040 教育のミライ』より
著者によると今後は、以上の3つの学びが大切だそうです。確かに私もこれには同意します。個を軸にした学び、探求型学習は今でも実践で取り入れて試行錯誤しています。
ただ、③のプログラミング教育に関しては学校現場では正直あまり意識されていないのではないかと思います。なぜなら、プログラミング学習をやろうとした次の年に一人一台端末の活用が始まったからです。
パソコンとの親和性は高いと思いますが、他にもやることがたくさんありじっくり取り組むことが個人的には難しいと思います。
また、学校教育のプログラミング教育は、現状スキルを身につけるだけのような気もしています。大事なのは、プログラミングは自分の論理的思考を表現しさらに拡張できるものであるということです。
プログラミングは論理的思考を育むためのものというのは少し違うと本書では述べられています。
本書を読んで、個人的にはもっとプログラミングを深掘りしてみたいと思いました。koovというソニーが開発したプログラミング教材もあるそうなので、お金があったら買ってやってみようと思います。
3個別最適化された学習
特に教員の質のムラが激しい公立学校では、「あの教員は教え方がうまいけど、この教員はまったくダメ」といった「教育格差」が顕著です。こうした一斉授業の抱える課題を解決する効果的な手段が、録画済みの映像を流す「映像授業」です。その映像授業で教えるのは、必ずしもその学校の教員ではなく、全国の教員の中から選ばれた「認定教員」です。それを文科省が作成し、全国に配信。学校の教員は、生徒のファシリテーターに徹する。認定教員と教室の教員の2名で授業を行うこうした授業携帯は「ダブルティーチャー型授業」と呼ばれています。
『2040 教育のミライ』
これは非常に良いと思います。むしろ似たようなことをやろうとしています。授業の導入を動画にしてその動画を見ながら私が説明するようなスタイルです。
教師一人が永遠と話すよりも、動画で説明したほうが児童も本当に集中して話を聞くのです。不思議ですがそのような実態があるので、映像授業はかなり効果的だと思っています。
文科省が単元の動画を撮ってしまうのが一番手っ取り早いですが、なかなか時間がかかりそうなので少しでもアーカイブを残せるように頑張ってみます。
4教育メタバースについて
私が教育メタバースで目指すのは、まさしく「Teach to earn」。先生が生徒に教えることで経済的な利益が生まれるシステムです。
私の考える理想の教育メタバースは、生徒と先生が中心となって、さまざまな役割の人々が関係し合いながら、自律的に運営が回るエコシステム(生態系)です。
そうなると、特定の人だけの意思で組織が動く中央集権型ではなく、公平で、組織的な意思決定ができるDAO(Decentralized Autonomous Organization・非集権型自律組織。冒頭マンガ31ページ参照)
『2040 教育のミライ』より
ここ最近は、教員が不足しているというニュースをよく聞きます。倍率が一割を切った都道府県もあるようで、このままでは公教育自体が崩壊してしまいます。
そうなると、教員志望者以外の民間からの力が必要な気がしています。力がある人が教師役となり、DAOの中で生徒に好きな時間に教えるという形態も今後出てくるかもしれません。
DAOについてはもう少し深掘りしたいので本を買いました。今後ブログに書いていきますので楽しみにしていてください。
総じて感じたことは、「デジタルの拡張という未来予測のもと、プログラミングやパソコン活用の能力、メタバースやVRの知識を最大限高めておこう」ということです。
正直、メタバースなんてものは直接体験には敵わないから流行らないだろうと思っていましたが、本書を読んで今後はメタバースの時代が来ると感じました笑
このようなデジタルリテラシーを子どもにも伝えていきたいと思います。
以上が、『2040 教育のミライ』ミライの教育に必要な4つのことになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。