『多様性の科学』を読んで、組織のあり方を考える。

さて、新年5本目の記事です。だんだん調子にのってきました!

今回は、少し前に読んだ本です。実は、内容はほとんど覚えてなかったのですが、ちょっと読み返した時にあの時の興奮が蘇ってきました笑

おそらく皆さんも、仕事か何かで組織に所属していると思います。今日はその組織のお話です。キーワードは「多様性」。実は私も最近ある組織のあり方を考えております。この本は、多様性を生かすという点ではとても参考になりました。

皆さんの参考にもなれば、幸いです。

1支配と順位

順位制にまつわる感情や言動は人間の頭や心の奥深くにプログラミングされ、我々はその存在にほぼ気づかずに生きている。支配権を握った者は身振りや手振りが大きくなり、従属する者を威圧する。つまり恐怖で支配してまわりを動かそうとする。

(中略)人類学者は従属者に服従を強制せず、自らの行動で尊敬を集めるリーダーを目撃していた。力を誇示するのではなく、知恵をもたらすリーダー。まわりを威圧して押さえ込むのではなく、自由をもたらすリーダーがすでに存在していた。

『多様性の科学』より

私が最近興味をもっている人類学視点のリーダー論ですね。どうも狩猟採集時代から、制圧型のリーダーと尊敬型のリーダーがいたようです。

今でもいますよね、どちらも。私は、リーダーではありませんが、学校教育の中では、教師という子どもにとってはリーダーのようなものです。

教師として、尊敬型のリーダーになりたいと常々思っていますが、私の未熟さゆえに力でおさえてしまう時もあります。ただ、現状の学校のシステム(35人を一人で担任する、特別支援学級は8人を一人で担任する。基本的に教科書を使った一斉学習を展開する。)にも問題があるとは思います。

ただ、これに関してはある程度裁量はあるので、今後もより良い指導方法を研究していきたいと思います。

話は少しそれましたが、リーダーの話でしたね。わざわざこの文を引用したのは、私が力で制圧する支配型のリーダーにならないように戒めとするためです。

年齢を重ねても謙虚でいられるように、意識をしていきたいと思います。

2イノベーションを生み出すために

ここでカギとなるのが第三者のマインドセットだ。もちろん、決して当事者が持つ専門知識が不要なわけではない。むしろその逆だ。そもそもの概念を深く理解できていてこそ、そこから距離をとることに意味が出てくる。当事者でいながら、第三者でいることが肝心なのだ。

目まぐるしく進化する現代社会において、大きな発見をする(つまりイノベーションを起こす)スキルを会得することはたしかに大事だ。しかし、それと同時に、自分自身を改革する術も身につける必要がある。現状に疑問を投げかける力、従来の枠組みを飛び越えていく力……現代はそんな力を持つ人々が活躍する時代だ。

『多様性の科学』より

組織の中でイノベーションを起こしたり、より良い組織にしていったりするには第三者のマインドセットが必要であると。確かに、組織の中にいると、初めは違和感があったことも段々と当たり前になってしまうから恐ろしいです。

私は、今回はじめての異動でした。やはり、はじめは文化の違いなどが非常に大きく困惑することもありました。ですが、今現在あともう少しでまる一年になりますが、だいぶ慣れてきました。

この「慣れ」が良くも悪くも問題になるなと思います。

また、他にも「読書会」という組織にいますが、同じ価値観の人が多いように思います。割と、他人の発言に共感する声が多く、多少はいいのですがたまに違和感を覚えることがあります。

だからこそ、上記の引用文の内容が非常に大切であるなと感じます。組織に所属しながらも、組織とはあえて距離をとることで、組織の価値観に縛られないアイデアを出していく。

具体的には、組織とは違う価値観のコミュニティーに参加し話を聞く機会を増やしていくことですかね。いろんなところで刺激を受けて、組織に還元していく。

これも常に意識していきたいことになります。

3エコーチェンバー現象とフィルターバブル

前者(フィルターバブル)では、当事者は泡の中にすっぽりと包まれ、反対意見から完全に隔離された状態だ。聞こえてくるのは同じ泡の中の住人の意見だけで、現実が歪んで見える。(中略)一方、エコーチェンバー現象の仕組みはこれと本質的に異なる。もちろんエコーチェンバー(原意は、録音設備の一種でエコーが響く部屋)にもある程度情報のフィルターはあって、その内側では自分と同じ意見が常に大きくこだましているものの、外部の意見も入ってくる。ところが内側の当事者は、反対意見を聞けば聞くほど信念を強めるのだ。

『多様性の科学』より

フィルターバブルはなんとなくわかりますが、エコーチェンバー現象はこわいですね。確かに、YouTubeの動画とかをたまに見るとそんな人がいてびっくりした記憶があります。

明らかにおかしいことを言っているのに、他の人から違う意見を言われても何の気づかない人。まだ私はそのレベルの人には出会ったことはないですが、そういう人もいるんだなと思いました。

今後のためにも、覚えておこうと思います。

4多様性をおそれない

チーム作りそのものに限らず、チームワークやコラボレーションにも多様性は大きく関わる。多様な意見は秩序を乱す脅威ではない。組織や社会を活性化する力だ。率直な反対意見も成長には欠かせない。第三者に意見を求めるのは、チームの忠誠心が足りないからではなく、忠誠心が高いからこそ。新たなアイデアを融合して、新たな挑戦のために結束力を高めていくためだ。

『多様性の科学』より

私は、今後の組織は多様性が必要で、まずは自己を第三者にのマインドセットに常に置いておくべきだと考えます。

シンプルに、同じ価値観の人と同じ組織にいることは心地がよいと思います。しかし、そこから生まれるのは、自分や相手の想像した範囲に収まるものになってしまうのではないでしょうか。

自分が新たなものを考えたり、枠組みを変えていくためにはやはり異なる価値観や人種・年齢・性別・職種の人と一緒にいることではないでしょうか。

個人的には、10歳も歳が離れた、若手の人や子どもと接するだけでも、自分の価値観が揺さぶられてかなり良い影響を与えてくれます。人によってはそれが「不安定」と思う人もいるかもしれません。

ですが、この不安定さの中にこと、不確実性の高まった未来に対応する大切な要素でもあると考えます。

ただ、自分がいる環境が多様性を持っていたとしても、慣れはやってくるのでやはり大切なのは「第三者のマインドセット」を持ち続けることだと思いました。

以上が、『多様性の科学』を読んで、組織のあり方を考える。になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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