『大人を本気にさせる子どもたち』を読んで探究の具体的道筋を理解する

どうも!いよいよGW最終日である。毎朝書いてきたブログもおそらく今日で最後になるだろう。最後の締めくくりは、探究学習についてである。

『大人を本気にさせる子どもたち』。とある金沢の小学校による探究学習の実践報告である。これを読んで、具体的な探究学習のイメージが湧いてきた。

今まで、探究や総合の理論的な面にフォーカスしてきたが、最後に具体の本を読むことで、明日の学校をより楽しめるようにしていきたい笑

それでは、これから具体的な実践におけるポイントを3点にまとめて述べる。みなさんの参考になれば幸いである。

1題材との出合わせ方

その探究心を高めていくための第一段階として、本当に気を張るのは題材との出合わせ方です。(中略)ここでは、題材に目を向けたくなるような五感で体感できるようなもの、意外性のあるもの、衝撃を受けるものなどを提示することが定石です。

『大人を本気にさせる子どもたち』より

わたしは、これが一番重要な気がする。いかに子どもが「やりたい!」と心の底から思える題材と出会えるか。それにかかっている。できれば、子どもに直接体験してもらうのが良い。

わたしは、今年は朽ち果てたビオトープをなんとかしたいと思い、子どもとビオトープ周辺を遊びながら提案してみた。

もともと、生き物が好きな子が多かったので、この場所を色々な生き物が住めるような環境にしていきたい!子ども発信のやりたいことがでてきた。現在進行中である。

このような例から、自分事としてとらえられるような題材が好ましい。あまりり自分から遠い題材だとなんとなく調べて発表する。という探究学習ではなく調べ学習になってしまう危険性がある。

まずは教師がやってみたい!思う題材を探していくことが重要である。

2その後の溜めのようなもの

この授業では課題に関する「溜め」を大事にしています。単元計画をもとに教師が発問のみで進めていくと、そこからもれてくる子が出ます。(中略)そのため、この時間は導入部で「この間の授業のふり返りで10人くらいが同じ疑問をもってたんだけどさ」と切り出しました。

『大人を本気にさせる子どもたち』より

これは、上記の引用だけだと説明しにくいのですが、一部の問いや疑問を全体の疑問にもっていくスキルのようなものかな。これはすごく大事な気がする。

振り返りの時点で疑問を調整するやり方もあるが、導入時に他人の疑問を投げかけて「確かにー」と自分ごとにする事で、全体で進めていくことができる。

この細やかなテクニックがないと、全員で協働して進めていくことが難しくなる。だからこそ、教師の思いでガンガンいこうぜ!ではなく時には立ち止まることも必要なのである。

そこで、子どもとの対話が生まれ、自分事として課題に向き合うことができ、探究が始まっていく。

3総合とSTEAM教育

STEAM教育の中で、大切にされている要素の一つに【ティンカリング(Tinkering)】があります。【いじくる】という意味ですが、このティンカリングを通し、創造性や問題解決力、デザインセンスなど様々な能力が身につくとされています。そしてこのティンカリングは、観察結果を整理することなく行う場当たり的なティンカリングと、観察結果をしっかりと整理し、建設的な試行錯誤に基づくティンカリングに大別できます。

『大人を本気にさせる子どもたち』より

まずは、STEAM教育とは何か?を以下に引用します。

STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の5つの単語の頭文字を組み合わせた教育概念です。
技術革新が進み人工知能の影響で世の中が大きく変化する中で生まれました。

これら5つの分野の学習を通して、子どもを今後のIT社会に順応した競争力のある人材に育てていくための教育方針となります。

https://www.justsystems.com/jp/products/smilenext/article/steam.html#:~:text=STEAM%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81Science%EF%BC%88%E7%A7%91%E5%AD%A6,%E4%B8%AD%E3%81%A7%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82

そして【ティンカリング(Tinkering)】である。いじくる、試行錯誤する中でいろいろな力が身につくということである。

ただ、よくある問題として、プログラミングロボットを作ったりするときに、適当にいじって完成させるというものだ。最初は一所懸命に取り組むかもしれない。ただ、パターンがわかってくると飽きてしまい、適当にいじくる子が増えてくる。

この対策としては、教師が子どもの「いじくり・試行錯誤」を可視化してあげるということ。どんな道筋で来たかをわかるような環境設定をすること。それが一つである。

もう一つが「いじくる対象がめちゃくちゃ魅力的であること」例えば、わたしが今取り組んでいるビオトープという題材。自然を相手にしていると、飽きなど来るはずもなく次々に活動する様子が見られる。

子どもが飽きないで試行錯誤できるような題材というのは非常に重要なのではないかと考える。

以上が、『大人を本気にさせる子どもたち』を読んで探究の具体的道筋を理解するである。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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