今年は、クルミド大学の能カレッジに参加しました。簡単に言うと能の勉強会のようなものです。能自体は全く観たこともなかったのですが、日本の伝統自体は興味があったので参加してみました。
能カレッジに参加するときには、能を若干否定的に捉えていました。おそらく岡本太郎さんの影響です。今年の初め頃はいろんな人に「爆発したい!」と不審者めいたことをしていた気がします笑
太陽の塔に行ったのもそういえば今年のはじめ、1月のことでした。岡本太郎熱がピークに達していたため、「伝統がなんだ、自分で伝統を作っていく気概をもとうぜ」的なテンションになっていました。
それが今では、能の良さも知ってしまったので、自分にとってはこの能カレッジの影響はめちゃくちゃありましたね。特に、風姿花伝という本との出会いが大きかったです。
能だけではなく全ての芸能に通ずる本であるということはよく言われます。ただ、教育や教師のあり方にもつながることが多くあり、学びになりました。
特に印象的だったことを3点以下に引用します。
秘義にいはく、そもそも、一切は、陰陽の和する所の境を成就とは知るべし。
ことさらこの芸、その風を継ぐと云えども、自力より出づる振舞あれば、語にも及び難し。その風を得て心より心に伝ふる花なれば、風姿花伝と名付く。
物数を尽して、工夫を得て、珍しき感を心得るが花なり。
いま心に残っているのは風姿花伝ですが、これからの人生で花鏡という本も生きてくるでしょう。
話は戻りますが正直、能との出会いによりこの1年価値観が変わったと思っています。あれだけ岡本太郎太郎といっていた昨年12月から1年。
能との出会い、風姿花伝との出会いが伝統の良さを再確認する契機になりました。それは、実は仕事にめちゃくちゃ活きています。あまり詳しくは言えませんが、岡本太郎寄りの教育実践をしていたんですね。
結構攻めたことをしている自覚もあります。でも、波風を立たせないようにもしていました。そんな時、伝統文化側の立場からいい意味で軌道修正を求められました。
もし能を学んでいなかったら、その方とめちゃくちゃケンカしてたと思います。能及び風姿花伝で伝統の良さ、型の意味、気安く奇をてらった実践をしないこと。教育も同じです。今の伝統のままではいけないと思うけれども、受け継がれてきた良さもある。
本当に1年間、能に触れてきてよかったと心から思いますよ。そして、その1ヶ月後にVR能というものを観てきました。これがまた非常によかった!
おそらくこのVR能も伝統文化を重んじる方々からは批判されたのではないかと想像できます。でも、おそらくですが対話を繰り返し伝統を大切にした上で、こういう新たな刺激を展開していったのではないでしょうか。
勝手ですがすごく共感して、感動していました。わたしもVR能から刺激を受け、伝統を大切にしながら新たな刺激を生み出していきたいと思います!
本当に能に出会えてよかった。今後も能はチェックしていきます!