今日は、私の趣味の一つ「民藝」について話します。
民藝の作家さんで思い浮かぶのは、芹沢銈介さんや舟木研児さんです。素晴らしいものを作る作家さんだなと思います。
趣味と言いつつ、私自身が民藝の定義を知りません笑
そこで「わかりやすい民藝」を読みました。ただ、結論から言うとこの本には「民藝」の定義は書いてありません。
しかし、歴史的な経緯をさかのぼることで、民藝という言葉が生まれたきっかけを知ることができました。
そこで、この本を読み私が理解したことを3つにまとめてお話しします。
1民藝が生まれた歴史的背景
まずは、民藝という言葉が生まれた背景についてです。
民藝は民衆的工藝の略だそうです。
この言葉が生まれたのは1920年代で、キーパーソンとなるのは柳宗悦という人です。
この頃は、美術・工藝美術・工藝の3つに分かれていたそうです。この中で、一番偉いのが美術。次に工藝美術、最後に工藝となっていました。
美術や工藝美術は国の基準で美しいものが見出されるようになっていきました。
「国が美を決めるのはおかしい!」となり、民衆に美を取り戻そうとしたことで、民衆の工藝=民藝になったそうです。
民衆の工藝とは何か、柳宗悦の言葉と解説を本書より引用します。
床屋の鋏の調子・線路工夫の掛け声・銀行員のお札の数え方・物売りの声・トランプが上手な人の切り方・肉屋の主人の包丁さばき・芝居や落語や相撲の看板の字・中世活版の字・新聞書体・大津絵・グレゴリオ聖歌・天台宗で行われる議論・茶道・能楽・武術••••••など
(中略)
それは、本来は個人的な行為、「私」という領域・生活で行われる行為が、社会という「公」の場、他者と触れる場所で次第に削ぎ落とされ、リズムが煮詰まったもの、煮詰まって一つの特徴のある姿となったものです。
「わかりやすい民藝」より
なるほどなと思いました。
民藝は、国の美の基準に対する反抗なのだと。
まずは、このことを理解することが重要だと考えます。
2民藝をわかりやすく解説すると・・・
歴史的背景がわかったところで、民藝の捉え方についてです。
著者の方は、民藝について3つの言葉にまとめているので引用します。
・友情に基づく、カウンターカルチャー。
・土地ごとに生まれる、工藝的なもの。
・〇〇にもかかわらず、美しいもの。
「わかりやすい民藝」より
一つずつ解説していきます。「カウンターカルチャー」とは、先ほど説明した国への反抗としての民藝ということだと思います。
「工藝的なもの」も1で引用した文章の中に書いてあります。
「〇〇にもかかわらず」というのは何か❓
人間は、ちっぽけなものにもかかわらず、美しいものを作る力を秘めているということだそうです。
この3つの要素が民藝を語る上では重要だそうです。
3買い手がモノを選ぶときのポイント
この本の著者である高木崇雄さんは、福岡市に「工藝風向」というお店を持っています。高木さんのモノを選ぶ3つのポイントを引用します。
1無理に買わない。
2「一生もの」は買わない。
3ノイズのないものを選ばない。
「わかりやすい民藝」より
一番共感するのは3です。不完全なものの魅力に関しては、「わびさび」として以前に紹介しました。
完璧な器よりも、不完全なものノイズがあるものに魅力を感じてしまいます。
1もわかります笑
普段使う器には限界があるので、そんなにいらないですよね。
むしろ、物欲に駆られて買いすぎると結局使わない器が出てきてしまい後悔するかと。服も同じです。
2はうーんと思いました。確かに、一生ものという言葉には魔力があり、正直一生使えるものなんてほとんどないと思います。
好みだって変わりますし、例えば服であれば経年で変化していって最後は朽ちていきます。
そう言った点で見ると一生ものと言えるのは機械式の時計くらいなのかなと思います。
しかし、他人の基準ではなく、自分がこれは一生をかけて付き合っていきたいなと思うモノを探すということは私は必要だなと考えます。
そうすることで、自分のモノに対する目が鍛えられるからです。
最後は、民藝とは少し話がずれました。
以上が、「わかりやすい民藝」で学んだ3つのことです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。