「教師のNG思考」不正解から学ぶべきこと

「教師のNG思考」という本を読みました。この本は、教育には無数の正解があるが、不正解は一般化できるのではないかという考えから出発している本です。

確かに、授業でこうすれば良いと言うのは子どもたちや指導者の実態次第だと思います。そんな中で、「これはやったら良くない」というのは共通項がありそうです。

著者も例にあげていますが、怒鳴るという行為はどんな状況でも良くないと考えられます。なぜ良くないかは、主に2つ理由があります。

1つは、怒鳴ることで何が原因で指導されているのかがわからなくなることです。例えば、友達を叩いてしまった時怒鳴って指導をしたとします。

指導された子は、恐怖は感じるものの、自分が何が原因で指導されているのかがわからなくなってしまいます。だから、怒鳴らずに自分の行動を省みて、次からの行動を改善できるように声をかけるべきです。

2つ目は、教師が大声で威嚇して解決する姿を見せると、怒鳴ることが手段として正当化されてしまうからです。先生がやっているから良いんでしょという子どもも出てくるかもしれません。

基本的には、子どもにやってほしくないことは教師はやるべきではないですよね。大人だから特別なんていっていると、子どもからの信頼が失われます。

私が読んだ、「教師のNG思考」にはこのような不正解の事例が著者の体験とともに具体的に書かれています。気になる方はぜひ読んでいただけたらと思います。

今回は、この本を読んで特に共感した3つの不正解について、自分の経験をもとにお話しします。そして、不正解を自分で把握し、更に成長していくためには「謙虚さ」が必要だと考えています。

1テストで点数が取れないのは誰のせい?

これは、本書で言う「他責思考」に基づいています。他責思考とは読んで字のごとく、「すべて他人のせいにする考え方」のことです。私は、今までテストで良い点を取らなくてもまあいいかと楽観的に考えていました。

読解力が厳しい子がいるから、かなり低い点をとっても仕方がないと考えることも普通でした。しかし、土居先生の以下の言葉を読んではっとさせられました。

「テストの点数を取らせるために授業をしているのではない」。これは確かに一理あります。

テストではかれるのは求められている力のごく一部でしかありません。しかし、業者テストの点数も取らせられないのでは話にならない、と考えるべきです。

「教師のNG思考」より」

「確かに!」今まで子供のせいにして甘んじていました。思考力以前にまずは基本的な知識・技能ですよね。基本的な知識のテストで点数を取れないようであればそれはもう教師の指導力不足です。

2子どもたちが挙手して意見を言えば良い?

これは、「手段の目的化思考」というものです。これも読んで字の如く、手段が目的になってしまうことです。私は一時期、子どもが手を挙げて発表することが目的になってしまうことがありました。

結局、手を挙げさせるために簡単な発問ばかりになってしまい、うまく授業が進まなくなってしまいました。「手段の目的化」を防ぐにはどうすればよいか、本書から引用します。

つまり、教師がしっかり「育てたい子ども像」を明確に描き、それに応じて一貫性のある指導ができているかどうかが、「手段の目的化」を防ぐということです。

そうではなくて子どもの具体的な行為ばかりに目を向けて、ただその行為のみを追い求めていくようでは、「手段の目的化」に陥り、指導が行き当たりばったりになります。

「教師のNG思考」より

「育てたい子ども像」というゴールを明確に設定することが大切ということです。

「教師の満足」ではなく「子どもの成長」を考えてゴールを設定することが必要です。

私が子どもに挙手を求めたのも、自分の満足のためであったかもしれません。なんとなく盛り上がればいいかなと思っていましたが、それではもちろんだめですね。

私が子どもに挙手させる理由は、「安心して失敗できるようなクラスの雰囲気になってほしい」という目的からだとあとから考えました。

一人ひとりの子どもが相手の意見から学べるような環境を作っていきたい。そのためには、失敗してもチャレンジできる勇気と失敗しても発表した人が嫌な気持ちにならないようにする。

そんな子どもを育てていきたいから、子どたちには自信をもって挙手をしてほしいと考えます。

3教師の言うことを聞く子がいい子なの?

これは、学校内価値過大視思考というものです。これは、本書から説明を引用します。

「学校内価値過大視思考」とは、主に学校内でのみ通用する価値を、過大視してしまうことです。学校内で価値があるとされているからと言って、学校の外、つまり卒業してからもそれがそのまま有効とは限りません。学校という場所はいい意味でも悪い意味でも、現実社会とは少し違う場所なのは確かです。

「教師のNG思考」より

「学校内で当たり前のことが、社会に出た時に当たり前ではなくなる」ということをまずは頭に入れて指導していくべきだと考えます。

先生の言うことをよく聞くと、指示されたことに関しては従順に働ける人間にはなれると思います。しかし、AIの発達により、指示されて実行する仕事は段々と減っていくだろうと考えます。

そこで、指示待ち人間にならないように、考えて行動させることが大切です。教師の言うことを素直に聞けるということも確かに必要ですが、教師の発言に疑問をもつことも必要なのではと考えています。

以上が、本書を読んで私が特に共感した3点です。

この3つの「NG思考」を意識して成長につなげるためには「謙虚さ」が必要になると考えます。

自分に悪いところはなかったかと振り返る習慣を今後身につけて行きます。

「教師のNG思考」不正解から学ぶ謙虚さ

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