前回のブログに引き続き、土居先生の「漢字指導の新常識」という本を読みました。
ちなみに前回のブログのリンクを貼っておきます。よかったら読んでいただけたらと思います。
今回のテーマは「漢字」です。みなさんも漢字学習は小学生の頃から、続けて今に至るかと思います。そんな中この本は、「いかに漢字学習が大切か」がとてもわかりやすく書いてあります。
気になるようでしたらぜひ一読していただきたいです。教師はもちろん、家庭学習で子どもの漢字習得が難しいと感じている親御さんにも良い本です。
このブログには載せられませんが、イラストがとても多いのでとてもイメージがしやすいのです。今回は、私が一読した中ですぐに実践してみようと思ったことを3つにまとめました。
参考にしていただけたら幸いです。
1なんで漢字を学習するかを伝える
なぜ漢字を学習する必要があるのでしょうか?みなさんだったら何と答えるでしょうか。土居さんが考える「漢字学習の意義」について以下に引用します。
国語科では話す、聞く、読む、書くという言語活動の指導が行われます。ただし、それらを支えるのはひらがな及び漢字を正確に読め、書けるという基礎的な知識・技能です。
(中略)
このように、子ども達に、しっかり漢字の力をつけることは、他教科の学力を支えたり、「主体的・対話的で深い学び」を成立させたりするために不可欠な「学力の根幹」を育てることになるのです。
「漢字指導の新常識」より
確かに、漢字が読めないと国語だけではなく算数や理科、社会の問題も読めないですよね。漢字が全学習の基本であることは間違いないと考えます。
私達はこのような認識を持って子どもたちに漢字を教えますが、子どもたちはどうでしょうか?書くことが苦手な子は、なぜ漢字を書かないといけないのか疑問に思っている子もいるだろうと考えます。
私の答えは、「漢字を勉強することで、自分が知らない面白い世界に行ける」こんなふうに考えています。
具体的に話すと、自分が興味をもった勉強や趣味の世界には必ずといっていいほど漢字がでてきます。本やマンガ、ゲームにも漢字で書かれているものが多いです。
漢字がわからなくても「なんとなく分かる状態」になりますが、漢字を知っていると自分が好きでやっていることがより楽しくなると伝えます。
どうしても苦手な子には、「とりあえず読めるようになろう!」と伝えます。この本にも書いてありますが、漢字のスタートはまずは読めるようになることです。
本書でも、まずは読み、そして書き、最後に活用すると漢字の系統性についてお話しています。
漢字が読めるようになって、自分のまだ知らない世界を広げる楽しさを知る。こんなふうに漢字を学ぶ良さを実感させていけたらなと思っています。
2漢字ドリルを最大限に活用する
私が、この本を読んで一番やってみたいことは「漢字ドリルの音読」です。今まで、漢字学習は「書き」の指導にかなり重点を置いていました。
しかし、この本を読んでまずは読めるようになることが大切だと感じました。私が共感した部分について、以下に引用します。
様々なことを考えた結果、私は、子ども達にまず「読み」を定着させた方がいいのではないかと考えました。なぜなら、読めてもいない漢字を書かせることは不可能だからです。
そこで、今までは「書く」だけのものであった漢字ドリルを音読させてみました。すると、これが大成功。子ども達の読みの定着率がグンと上がり、自信をつけました。
「漢字指導の新常識」より
「書き」が中心だと2つの問題があると考えています。1つは、書くことが苦手な子にはかなりハードルが高くなります。そのために、まずはハードルの低い読むということに取り組ませるのが良いと考えます。
2つ目は、ただひたすら漢字を書くことで得られるものは「無の境地」だということです。私も経験がありますが、同じ字をひたすら書いていくと、何も考えなくなります笑
マスがいっぱい埋まったという達成感は身につくと考えますが、漢字の定着には非効率であるなと感じます。
土居先生がおっしゃっているように、ノートに縦に同じ漢字を書くのではなく、横に違う漢字を書くだけでも定着率が高まると考えています。
そこで、漢字ドリルの音読です。まずはドリルを読むことで自信をもたせ、読みのテストを行います。その次にじっくりと書くことで漢字が定着しやすくなります。
漢字ドリルの読みを増やす中で、書くことは減らしていこうと考えています。その代わり「丁寧」に書くことを意識させていきたいと考えています。
土居先生も本書の中で述べていますが、「丁寧さ」はどの学習や生活にも転移する重要なものであると。漢字を丁寧に書ける人は、他の仕事も丁寧に行うことができると私も考えます。
そのためには、時間の余裕が必要だと思いますので、やることを精選して「丁寧さ」も身につけさせていきたいと考えています。
3自分で学習できるように指導する
最後は、「自分で学習できるようになる」ということです。本書は「自立した学習者」と定義しています。「自立した学習者」の要素を以下に引用します。
まず、効率のよい「学習の仕方」を習得しているということです。
また、自分で自分の学習状況を把握しているということです。
そして、学習方法を使い分けたり計画を立てたりできることです。
最後に、教師などの他者を自分の意欲を高める拠り所にするのではなく、自分の意志で、意欲的にかつ粘り強く学習に取り組めるということです。
「漢字指導の新常識」より
私は、今まで漢字のドリルの付属のノートを使っていましたが、次からは普通のノートに自分で書かせていこうと考えています。
一斉に同じ漢字をひたすら書かせるのではなく、自分で苦手な漢字を見つけ出しそれをノートに書いて練習していく。このような学習スタイルになるように、子ども達を育てていきたいと考えています。
また、漢字が書けるのその先の「漢字を活用する」というところも意識していきたいと考えています。これが個人的には難しいなと思います。
熟語を辞書で探すのも少し非効率だなと感じてしまうので、これからの一人一台のタブレット端末に期待しようと思っています。
自分の課題にを自分で見つけて学習する、このような子ども達を育てていきたいなと考えています。
以上が、「漢字指導の新常識」から漢字学習を考えるになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。