久しぶりにブログを更新します。今回は、「教師のいらない授業のつくり方」という本を読みました。非常に参考になる本で、今後の教育に必要なことがたくさん書かれているなと感じました。
この本を読んで考えたことは、「教師の役割」についてです。教育は英語でeducationといいます。educationはeduceという単語からきています。educeとは「潜在能力を引き出す」という意味です。
これからの教育は、教師が素晴らしい授業を提供するのではなく、教師が子ども達の良さを最大限に引き出すことが大切なのではないかと考えました。
そこで、必要になるのが「子ども達が自分ですすんで学ぶこと」です。なぜなら、子どもが自分の良さを活かせるようになるには、自分で学び成長することが不可欠だからです。
子ども達が学びつつけることができれば、教師はいなくても良くなります。厳密に言うと、「教える」から「一緒に学ぶ」スタイルに変わっていくと思います。
そのための方法が、「教師のいらない授業のつくり方」の中に凝縮されています。本記事では、私なりに大切だなと思ったことを3点にまとめてみました。参考にしていただけたら幸いです。
1学習を自分ごとにする
教師のいらない授業が成立するために、いちばん大切なことは、子どもたちにとって学習することが「自分事」であるということです。当事者意識をもって学習に取り組もうとすることによって、自分たちでできることが少しずつ増えていきます。
「教師のいらない授業のつくり方」より
確かに、自分がやってみたい、問題を考えてみたいと思わなければ「受け身」の状態になってしまいます。先生が面白い問題を出してくれるだろうと常に待っているお客さん状態です。
学習を自分ごととして捉えられるためには、一人ひとりの問いを大切にすることが必要であるとのこと。自分で問いを考え、それを授業の中で解決していくスタイルであれば学習を自分ごととして捉えられそうです。
ただ、それは簡単なことではありません。問いを自分で考えるためには、教師が子どもの問いを大切にしなければなりません。
子どもから問いを出しておいて、結局教師が意図する問いを強引に持ってきてしまうと、子どもは問いを考えることが馬鹿らしくなるでしょう。
子どもが問いをもって学習を進めるためには、教師が問いの質を把握し、教材研究をしっかりしていく必要があります。そうすることで、子どもは自分から問いを考えすすんで学習することができるようになります。
2話し合い活動を大切にする
自分の思いを相手に伝えることは、思っているよりも簡単なことではありません。「相手がどんな事を考えているだろう」とか「自分の考えを否定されないかな」と不安になってしまえば、自分の思いを正直に伝えることなんてできません。子どもたちに、いきなり話し合いや対話を求めるのではなく、まずはささいな会話から互いの関係性をつくることができるようにしていきます。
「教師のいらない授業のつくり方」より
ささいな会話は、例えばドラえもんの主人公は誰か・夏と冬どちらが好きかなど答えのない問題が話しやすいとのことです。ディベート形式にしても盛り上がるそうです。
また、著者は子どもたち全員が意見を表明できる場があると、友だちの意見を聞きたくなると述べています。その方法として、ネームカードを使って意見を可視化することを提案しています。
全員の意見が視覚的に分かると、他人の意見が気になってきます。そして、意見が別れたときに近くの人と話す必要性が生まれ、学級全体で話す必要性がうまれてきます。
また、グループ活動の際は、ホワイトボードを準備しておくと意見を可視化することができます。
歩きまわってお互いの意見を確認することも時には必要だと書いてありました。
3振り返りを大切にする
「ふり返りは大事である」という事を聞いたことがある人も多いかもしれません。
振り返ることによって、子どもたちは先に進む方法を学ぶことができます。また、学習することについて、自分の責任を持つことにもつながっていきます。
「教師のいらない授業のつくり方」より
著者はまず、感想からはじめ、徐々にふり返りにつなげていくことを述べています。授業の最後に楽しかったことや面白かったことを書かせ、それをだんだんと具体的にすることでふり返りにつながっていきます。
また、ふり返りを行う際に大切なことは、振り返りの視点(感じたことや考えたこと・明らかになったこと・友だちの意見で良いなと思ったこと・気になったこと・次の時間に考えたいこと)をしっかりと与えることだそうです。
はじめは教師からの視点で振り返りを書いている児童もだんだんと自分で視点を選んで書けるようになってくるようです。
以上が、「教師のいらない授業のつくり方」の3つのポイントになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。