今話題の『人新世の「資本論」』を読んでみました。「人新世」(ひとしんせい)とは何か?本書から引用してみます。
人類の経済活動が地球に与えた影響があまりに大きいため、ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツェンは、地質学的に見て、地球は新たな年代に突入したと言い、それを「人新世」(Anthropocene)と名付けた。人間たちの活動の痕跡が、地球の表面を覆いつくした年代という意味である。
『人新世の「資本論」』より
本書によると、著者は最近流行りのSDGsを現代版「大衆のアヘン」と呼んでいます笑
今後は資本主義を諦め、マルクスの資本論にこそ環境問題解決のヒントが隠されているというのがこの本の本質的な部分です。
この本を読んで、今までにない考えに衝撃を受けました。今回は、これからの自分の生活に活かせそうだと考えたことを3点に絞って書きます。参考になれば幸いです。
1使用価値経済への転換
マルクスは、「価値」と「使用価値」という商品の属性を区別した。第六章でも見たように、資本集積と経済成長を目的とする資本主義においては、商品としての「価値」の方が重要である。資本主義の第一目的は価値増殖なのだ。だから究極的には、売れればなんだってかまわない。つまり、「使用価値」(有用性)や商品の質、環境負荷はどうでもいい。
『人新世の「資本論」』より
この文章を読んで「使用価値」を大切にしようと考えました。なぜなら、本当に必要なものを見極めることで金銭的にも余裕が出て、環境への負荷が軽減するからです。
資本主義では、「希少性」が大切だそうです。だからこそ、商品の「ブランド化」が主流になってきます。個人的な考えですが、シュプリームというブランドがありますよね。
tシャツやスウェットがヤフオクやメルカリでなんであんなに高値で取引されるのかが正直わかりません。ナイキのスニーカーも値段の高騰がすごいですね、
希少性をもたせることで、商品の価値を高めているわかりやすい例かなと思います。
ブランドばかりに目がいってしまって、本当に大切なものの価値を見失わないことが大切です。本書でも例に上げていましたが、コロナ禍で必要不可欠なマスクの供給が足りなくなることがありました。
本当に大切なものは、自国で賄うべきであると考えるきっかけなるような例ですよね、依然として食料自給率は38%と低い数値です。
無駄なものにお金をかけることは必ずしも悪いことではないですが、まずは生きていくために何が必要かを考え「使用価値」に基づいた消費を心掛けていきたいと考えました。
2労働時間の短縮
必要のないものを作るのをやめれば、社会全体の総労働時間は大幅に削減できる。労働時間を短縮しても、意味のない仕事が減るだけなので、社会の実質的な繁栄は維持される。それどころか、労働時間を減らすことは、人々の生活にとっても、また自然環境にとっても好ましい影響をもたらす。マルクスも『資本論』のなか、「使用価値」の経済に向けた転換のためには、労働時間の短縮が「根本条件である」と述べていた。
『人新世の「資本論」』より
先程の、「使用価値」と大きく関わる部分です。必要のないものを作ることが少なくなれば、労働時間は短縮できるということを本書で述べています。
これも、普段の生活に活かせるなと考えました。仕事をしているときに、「この仕事はあまり意味がないよなー」と感じることは誰にでも経験があるのではないでしょうか。
その仕事をなくすことは不可能であっても、できるだけエネルギーを割かずに取り組むことはできるのではないかと考えます。
本題とは少しそれますが、私が大切だと考えていることは「本当に必要な仕事」であっても時間を決めて時間内に終わらせるようにするということです。
私の携わっている「教育」という仕事はやろうと思えば際限なくできます。というか、やらないと思っていても土日とかに何となく仕事のことを考えてしまっていたりします。
それはそれで良いのかもしれません。ただ、私も教育書以外の本を読んだり、教育の事以外も勉強したいなと考えています。ちなみに、夏休みには簿記3級の試験を受けたいなと考えています。
だからこそ、労働時間を短縮することは、自分のやりたいことをやる上ではとても大切なことなので、毎日意識していきたいと思います。
3生産過程の民主化
生産過程の民主化とは、「アソシエーション」による生産手段の共同管理である。つまり、なにを、どれだけ、どうやって生産するかについて、民主的に意思決定を行うことを目指す。
『人新世の「資本論」』より
これが、本書の核となる部分だた考えています。一部の大企業に生産手段を委ねるのではなく、自分たちで生産できるような体制を作っていく。できるだけ自給自足でやっていこうということなのかなと思っています。
このことを意識すれば、新しい仕事の形になるのではないかと考えております。まあまだ何も浮かんでいないのですが笑
頭の片隅においておこうと思います。
以上が、『人新世の「資本論」』から働き方を考えるでした。最後までお読みいただき、ありがとうございました。