今日は、教育系の記事です。「授業ファシリテート入門」という本を読みました。著者の若松さんの本は以前記事に書きましたのでよろしければご覧ください。
まずは、本書の「ファシリテート」の定義について以下に引用します。
本書で用いるファシリテートとは、集団を信頼し、集団を仕切りながら、話し合いを含む45分・50分の授業を捌き、子どもが学習するのを援けることを言います。
「授業ファシリテート入門」より
今まで、教師が中心でやっていたことを子ども達に任せていく。教師は、子どもを信頼して黒子に徹する。言葉で説明すると、「確かにそうだよな」と思います。しかし、これがなかなかに難しいです。
今でも、子ども達が中心になるようにファシリテートしていますが、失敗することが多く毎日反省の日々を過ごしております。
やはり、子ども達の「今」をよく観て、必要であれば今の段階では教師中心でも良いと判断できることが大切かなと考えました。
今回は、本書からファシリテーションを成功させるために必要なことを3つに絞ってお話します。参考になれば幸いです。
1話し合いの重要性
ファシリテーションが特に必要になるのは、授業の中の「話し合い」の場面です。本書によると、現在の教室空間はダイバーシティー化(多様化)しているそうです。
確かにそう思います。その多様化した教室の中で、お互いの考えを知って成長するためにも適切なファシリテーションが必要になると考えます。
本書には、話し合いをファシリテートするためのスキルがたくさん書いてあるので、ぜひ読んでみてください。
私が特に大切だなと感じたことは、「多様な発言を認めることを宣言する」ということです。その部分を以下に引用します。
安心して発言して良いこと、発言は間違ってもよいこと、学びを深めるためには多様な意見を受け入れること、そして、いろいろな意見があるからこそ、ここにみんながいて学ぶ意味があることを示します。これらのメッセージを、ファシリテーターが繰り返し宣言することが大事です。
そうしたことを「わざわざ言わなくてもよいのではないか」と思う人がいるかもしれません。でも、あえて言葉にして表現することで、子どもにきちんと伝わります。
「授業ファシリテート入門」より
これはとても大事だなと思いました。教師側からしたら当たり前だと思っていることが、実は子どもに伝わっていないということが結構あると感じています。
自分が小学生のときは、手を挙げて発言することはかなり勇気のいることだったし、みんなと同じ意見じゃないと不安になってしまうことがありました。
今の子ども達も少なからずそんなことを考えているのではないでしょうか。教師から、間違ってもいいということを繰り返し伝えることで子ども達は安心すると考えます。
特に大切なのは、繰り返し伝えることです。最初のうちは毎日伝えても良いかもしれません。それだけ伝えないと、子ども達は安心できないのではないかと考えます。
そんなことを自分の小学生時代を思い出しながら考えました。
2ふり返りの重要性
授業の中で行う振り返りは、振り返りをすることが自分のためになることを、子どもたち自身が実感できるものでなければ意味がありません。そのためには、「何のために振り返るのか」「どのように振り返るのか」を考える場をあえて設定し、振り返りの意味を理解させることが大事です。「振り返りをしたから、次にしなくてはならないことが見えた」など、振り返りの効果を実感する声が聞こえるようになれば、もう大丈夫です。
「授業ファシリテート入門」より
よく、振り返りが重要であるということを聞きますが、なぜ重要かを考えることが大切です。
私は、「自分で考えたことを振り返ることで成長や成果を実感し、うまくいかなかったことは次にいかす」ことが振り返りをやる意味であると考えます。
自分を客観的に観ることができるのも振り返りの良さだと考えています。子ども達だけではなく、自分の授業にも言えることです。
自分の授業を客観的にに観ることで、次の授業にいかす事ができれば子供の良い手本になるのではないかと考えています。そのために、振り返りの視点を明確にしておくことが必要です。
その視点に関しては、本書に書いてありますのでぜひお読みください。
3教材研究の重要性
ファシリテーターは、目の前の子どもたちは今、何を求めていて、何ができていて、何をしようとしているのかを知らなくてはなりません。一人ひとりが求めていることを把握してこそ、的確なゴールを決めることができます。
「授業ファシリテート入門」より
子ども達をファシリテートするためには、まずは教材研究をすることが大切だそうです。教材研究をあまりしないで授業に望むことは、地図を持たず目的地に行くくらいまずいことだなと考えています。
本書にも書いてありましたが、私が授業で大切にしていることは「子どもたちのゴールを設定する」ということです。もちろん学習指導要領や教科書の指導書を見てねらいを考えますが、大切なのは子どもの実態です。
自分のクラスの子どもたちをこの単元、この1時間でどういう状態にしたいかというゴールを決めることで、授業に芯ができて、ぶれない指導ができると考えます。
また、著者は授業の流れを事前に何回も練習することが大切であると述べています。スティーブ・ジョブズを例に挙げていますが、私もジョブズの本を読んだので彼がどれほど練習していたかは把握しております。
毎回の授業でやるのは難しいですが、研究状業などは同僚に観てもらいながら授業準備をやってみようと思います。
以上が,ファシリテーションを成功させるために必要なことになります。
最後までお読みいただきありがとうございました。