『「深い学び」を支える学級はコーチングで作る』の感想

前回に引き続き、教育系の記事です。『「深い学び」を支える学級はコーチングで作る』という本を読みました。前回読んだファシリテートの本と関連性があるのでリンクを貼っておきます。

「授業ファシリテート入門」から学んだこと

ある本に、今後一人一台のパソコンを活用する際には「コーチング」と「ファシリテーション」が大切になるという事が書いてありました。もしよろしければ、こちらも合わせてご覧ください。

『デジタル・シティズンシップ』とは何か?

もともとは、この一人一台のパソコンの活用のために読んだ本ですが、学級経営においてもこの2つの考え方はとても重要だということがわかりました。

そもそも、「コーチング」とはなにか。本書の定義を引用します。

コーチングとは、目標達成に向かって、先生が自分の価値観から指示命令を与えることではなく、子どもの中にある答えを「問いかけ」によって引き出すものです。そしてそれによって子どもが自分でどうするのかを決め、そこに向けて自ら行動するように気づかせていくものだといえます。

コーチングとは、子どもに問いかけ、それに対して子どもが自ら考え、解を見出していく、解決志向的なアプローチのことです。

『「深い学び」を支える学級はコーチングで作る』より

学習指導要領にも書いてある「アクティブラーニング」を進めていくために、コーチングは効果的だそうです。著者は、コーチングの最大のメリットとして自分自身を俯瞰できることを述べています。

自分自身を客観視することで、子どもたちを褒めたり叱ったりして動かすことなく子どもが自分で考え出す学級を作ることができるそうです。メタ認知能力ともいったりしますね。

本書には、コーチングのをするために3つのステップに分けているので、それぞれのポイントを紹介できたらと考えています。参考になれば幸いです。

1コーチングステップ1

コーチングステップ1では、学級で起きること、自分の身の回りでできることを「自分ごと」へと変えていきます。つまり当事者意識をもたせるのです。いきなりすべては変わりません。だからこそ、意識させていきます。教師はおしゃべりです。ついつい「こうあるべき」を押しつけたり、「こうしようね」とアドバイスしたりしてしまいます。

『「深い学び」を支える学級はコーチングで作る』より

この段階での教師のスタンスで大切なことは「子供と一緒に悩む」ことです。教師から答えを出すことは簡単ですが、子どもから答えを考えさせることがコーチングではとても大切なことのようです。

私も経験があるのですが、忘れ物をしたときに子どもにどのような指導をするでしょうか。

私は、忘れたことを報告した後に、「これからどうする?」ということを聞きます。わからないときには、はじめは教師と一緒に考えて選択肢を出したりします。

最終的には、自分でどのように今後解決していくかを一緒に考えて共有することを目標にしています。ケンカがあったときやちょっとしたトラブルなども、この方法で子どもに考えさせるようにしています。

また、この段階では「教師」と「子ども」の関係性を大切にします。子どもの話をよく聞くことで、関係性を築いていきます。その土台ができあがると、「子ども」と「子ども」の関係性を築くことになります。

そこで必要になるのが、「話し合い」です。はじめは、子ども同士緊張しているのでペアからはじめ、段々とグループの人数を増やしていくイメージです。

いきなり授業のことで話し合いをするのは、かなりハードルが高いと思われます。そこで、好きなアニメや教科など、子どもたちが話しやすいテーマを設定してやってみることが大切です。

話し合いで重要なのは、良い話し合い、悪い話し合いを子ども達に気づかせていくことです。一番はじめは、教師と子ども数人でまえで話し合って考えてみても良いかもしれません。

うまくいくためのポイントを聞いてみたり、逆にうまくいかなかったときは「なぜ?」聞いてみたりすることで子ども達が自分で考えて行動できるようになります。

2コーチングステップ2

ステップ2のポイントは「トラブルを大切にする」ということです。子どもに考えさせることを増やすことで意見がぶつかることもあり、ケンカになることが増えていくのがこの時期の特徴だそうです。

ここで、教師が成長のチャンスと捉えるか、ケンカは良くないからやめましょうというのかによって子どもの思考が大きく変わってきます。

コーチングの定義に書いてあったように、答えは子どもの中にあります。教師が、トラブルはよくないと思って接すると、表面上はトラブルがなくなるかも知れません。

ですが、陰でこそこそやる子が増えていくのではないかと考えます。

トラブルや失敗は成長するためのチャンスと教師が考えて実践していくことで、子ども達が自分自身でトラブルを乗り越える事ができるのではないでしょうか。

ケンカしたときには、まずは相手の話をよく聞く。そして、「相手が何を言いたいのか」をしっかり受け止める。それを繰り返す事により、トラブルを乗り越えて成長することができるのだそうです。

3コーチングステップ3

ステップ3のポイントは「見守る」ことだそうです。

子供同士で話していることを見守り、さらなる成長を促していく。よりレベルアップしたコーチングですね。

ここまでくると、子ども達同士もコーチングを活用していけるそうです。

以上が、コーチングのための3つのステップになります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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