タイトルの通り、「自律する子の育て方」という本を読みました。最新の脳科学の知識を交えたとてもわかりやすく、即実践可能なとても良い本に出会いました。
「脳科学」という言葉だけで何か説得力がありますよね。
最近は「あたり本」に出会う確率が高く、非常にイイ感じです。
この本のキーワードは「心理的安全性」と「メタ認知能力」の2つです。
特にメタ認知能力は、最近読んだ本にも書いてあったので「おお!」と一人で感動しました笑
今回、本書を読んで私が今後特に実践してみたいことについてお話します。参考になれば幸いです。
1「心理的安全性」を確保するための環境作り
まずは、「心理的安全性」とは何かということをお話します。この言葉を広めたのは、グーグル社だそうです。グーグル社の定義は、「不安や恥ずかしさを感じることなくリスクある行動をとることができるか。」となっています。
「心理的安全性」を確保するためには、「否定されない環境」を作ることが大切とのこと。例えば、学校の授業中に勇気をもって手を挙げたとします。
そこで間違ったことを言ってしまったときに、「えー!「違うよ!」「おかしい!」と言われたらどうでしょう。私だったら二度と手を挙げて発表することはないでしょう。
この場合に、心理的安全性が崩れる、心理的危険な状態になるのでしょう。やはり大切なのは、否定をせずに相手の意見を認める、認めた上で必要であれば反論することかと思います。はじめは反論も少し怖いかも知れませんが。
教師が失敗したことを伝えるのも、心理的安全性作りには良いそうです。
また、本書を読んでいて面白いなと思ったことを以下に引用します。
現地では普段の会話から自分の考えを含め、自分のことを開示していくことが当たり前になっていますが、そのときアメリカ人がよく使う返答が「interesting(興味深いね)」。実際には、「よくわからない」「共感できない」と思っているときに多用される言葉ですが、まったくトゲがないどころか、ポジティブな印象を受けます。はじめてこの言葉を聞いたときは、個人の違いを尊重する文化ならではの言葉だなと思いました。
「自律する子の育て方」より
「興味深いね」なかなかいい言葉だなと思いました。そういえば、わたしも理解はできないけど共感しようとするときに、「おもしろいね」はよく使います。「興味深いね」の方がオシャレで知的な感じがします笑
少し前にブログに書いた、「多文化想像」にも繋がる話ではないかと思います。よろしければこちらもお読みください。
最後に著者の工藤先生の中学校で行っている「3つの言葉がけ」を引用して「心理的安全性」のまとめとします。
1.「どうしたの?」(なにか困ったことはあるの?」)
2.「君はどうしたいの?」(これからどうしようと考えているの?)
3.「何を支援してほしいの?」(「先生にになにか支援できることはある?」)
「自律する子の育て方」より
2「メタ認知能力」を高めるための方法
著者が定義するメタ認知は「自己を俯瞰的に捉え、自己について学ぶ機能」だそうです。
私が本書を読んで目からウロコだったことは、客観と俯瞰の違いです。私は、自己を客観視することがメタ認知だと思っていましたが、厳密には違うのですね。非常に説得力がありました。その部分について引用します。
自分のことを客観的に見る行為はメタ認知において欠かせません。しかし、自分に関する情報を「ひとつの定点」から眺めたところでそこから学びを得る(情報処理をして脳を更新する)ことはなかなかできません。
学びを得るのは「複数の定点」を同時に見たときです。これを「俯瞰」といいます。
「自律する子の育て方」より
これがとてもわかりやすく、勉強になりました。自分を知るためには、複数の定点を結んでいく必要があるということです。著者は逆上がりを例にしています。
逆上がりの動画を撮って、その動画を見るだけではいまいちできたかどうかはわかりません。しかし、鉄棒を始めた頃の動画からまとめてみることで、自分の成長がより分かるようになります。それが「俯瞰」だそうです。
私が書いているこのブログも、「メタ認知能力」を高める方法になるのではないかと考えています。自分が書いた記事をはじめから振り返ることで、自分の好きなものや文章の書き方の傾向を俯瞰してみることができるからです。
また、私は「マインドマップ」というアプリを使って自己分析をしています。自分の強みや夢、やりたいことなどを網羅的に書いたものです。今でも時々見直して編集しています。
また、メタ認知を高める方法として「葛藤」があることを述べています。AなのかBなのか複数の2つの定点を同時に考えることによりメタ認知能力を高めることができるそうです。授業の中でも取り入れていこうと思いました。
以上が、「自律する子の育て方」のための2つのポイントになります。最後までお読みいただきありがとうございました。