久しぶりにブログを書きます。書いたいことが溜まっていたので、また継続して書いていきます。今回読んだ本は、「続ゆっくり、いそげ」です。この本は、以前ブログにもまとめました「ゆっくり、いそげ」の続編となっております。
続編となる本書ですが、まだ完結はしていないそうです。7章構成のうち5章まで書かれており、残りは読者とともに考えていこうというとても面白い本になっています。
本の下の部分は、自分が気づいたことをかけるスペースが有り、著者の影山さんの思考をヒントに自分の考えを書くことができます。
私は、この本から様々なことを考えました。経済や社会や教育など多様な気づきを得られる本でした、今回は、特に印象にのこった部分を3つに絞り、私の考えを述べます。
1カフェは広葉樹
著者の影山さんは「クルミドコーヒー」「胡桃堂喫茶店」の経営をしています。なのでカフェの経営の話は本書によく出てきます。
カフェ以外でキーワードになるのは「植物」だと感じています。植物の例えが本書のいたる所にあり、植物に対するリスペクトを感じます。
そこで出てくるのが「カフェは広葉樹」という言葉です。以下に引用します。
カフェは広葉樹。その育ちようはまさにくるみの木のようだ。そして広葉樹だったとしても、いのちがいきいきとその潜在能力を開花させていくことで、木は三次元的に生物量を大きくさせるとともに、結果的には高い木ともなる。(中略)ただ、生物量で事業の成長を捉えようとすると、それだけでは成長の質を捉えることはできないという論点が残る。(中略)事業体や組織の成長でありその秘めた力は、測ろうとするのではなく、感じること。
『続・ゆっくり、いそげ』より
広葉樹のイメージが今の私にはピッタリと当てはまりました。みんなで一体になって上へ上へと目指すやり方は、今後どの組織でも限界が来るのではないかと考えています。
組織の中で一人一人が伸ばしたい方向へと枝を伸ばし、結果的にその木が大きくなる、そして、一人ひとりがその成長を実感できる。そんな組織が私の理想です。私は今教育関係の仕事に就いているので、子どもの学級の集団もそのような広葉樹になれば良いなと思って指導していきます。
2場が力を持つためには
影山さんは、カフェの場の持つ力にも言及しています。その部分を以下に引用します。
場の力の正体を自分なりに定式化するとすれば
空間✕関係性✕記憶
とでも表現できようか物理的な空間だって、もとをたどればその正体は人の仕事だ。それが誰かが誰かを思ってウソのない仕事で設えたものなのかどうかは場の力に根源的な差異を生む。そして、いかし、いかされる関係性。それが日々繰り返され、積み重なることで、まさに着ものが織り込まれるように、場の力は育っていく。(中略)記憶の力によって、かつてそこにあった人の仕事や関わり合いが、今もそこにあることになる。
『続・ゆっくり、いそげ』より
この部分を読んで私が感じたことは、「人との関わりの中で空間がつくられる」ということです。カフェではないのですが、昨日行ったお店が場の力をもっているなと感じました。
ある書店でしたが、その日は戦争についてアートを通して考えるというテーマでした。書店には、店主と出版社の方と著者の方がいました。
その方々とアート作品がとても素晴らしく閉店間際まで話し込んでいました。その時に、人との関わりで空間ができているなと実感できた気がします。本もいくつか買ったのでじっくり読んでまたブログに書いていきます。
3共(コモンズ)の必要性
「共」とは「公」と「私」の間にあるものだそうです。影山さんは、私からの共に可能性を見出しているようです。
「公」についてわかりやすく説明されている文章を引用します。
公園がある。いろんな遊び方をしたい人がいる。できるだけ、それぞれが公園で遊びたい遊び方をできるよう自由を確保するにはどうしたらいいだろう。それには、こういう答え方もあるはずだ。一人一人が、他者への想像力や配慮を持つようにすること。そしていざとなった場合には、建設的な調整能力をもつこと。こういう「私とあなたの間の問題解決能力」も、一つの共(コモンズ)といっていい。
『続・ゆっくり、いそげ』より
私と公だけになってしまうと、生きづらい社会になってしまうと著者はおっしゃっています。私たち一人ひとりが自由の行動するのではなく、私た同士が相手のことを思いやって行動できる集団にしていく。
この「共」の考え方は、どんな組織でも大切になる話だと考えます。例えば、カフェでの会話で思い当たることがあります。
私がよく行くカフェでは、基本的には会話はありません。しかし、店主が客同士をつないでくれたり、知っている人がいたりすると会話につながることがよくあります。
私も、タイミングが合えばよく話します。しかし、カフェにいる全員がより良い場をつくっていこうとする共通認識があるので、初めて来る人のことも考え会話しています。
私は、「内輪だけの会話」が好きではないので、かなり気を遣っています。
そういった相手への配慮や想像力が、より良い「共」を作っていけるのではないかと考えます。
以上が、『続・ゆっくり、いそげ』を読んでの感想になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。