『太平洋戦争への道』を読んで学んだこと

最近は戦争を書いた作品を読んでいます。ここで一度歴史の流れを追いたいなと思い、『太平洋戦争への道』という本を読みました。

結論から言うと、私がこの本で学んだことは「大義」を見失わないこと、戦争観や歴史観を構築していくこと、メディアを見極めていくことです。

この本は、なぜ日本が太平洋戦争の道を歩んでいったかを時系列にしてわかりやすく解説した本です。久しぶりに日本史を学びなおしましたが、昔学んだときよりもより面白く感じました。

なぜなら、実生活とリンクすることができるからです。例えば、五・十五事件は海軍青年将校らが犬養毅らを暗殺しました。これは、今考えるとすごいことだと思います。

今自分が大きく関わっている政治や経済を歴史的に振り返ることで、今の生活をより良くできるのではないかと考えました。

政治・経済だけではなく自分なりの「戦争観」というものを見出していけたらなと考えています。この本にはこんなことが書かれていました。

私は、戦争体験の話をたくさん聞いてきました。多くの人が「戦争は嫌だ。二度と嫌だ」と言います。さらによく聞いてみると、その嫌だという気持ちの底には、アメリカの爆撃機が来て、爆弾を落していった記憶がある。

私たちの国で、「戦争観」というものが国家的、あるいは国民レベルできちんと定着せず、ぐらぐらと揺れているのは、もちろんアジアの国との関係もあるにしても、私たちが戦争を肌身で知った戦争体験が、わずか一年足らずの空襲体験に多くを拠っているためではないか。

『太平洋戦争への道』より

確かに、太平洋戦争に至るまでの戦争は、全て日本国外ので起こったものです。国外で起こった戦争を体験していたのはほんの一部の人で、その他国民は新聞やラジオで情報を得ていたと思います。

なので多くの人は、太平洋戦争の空襲を元に戦争の悲惨さを語り続けていると考えます。確かに、それは語り続けていくことで人々の記憶に残り、戦争はもう嫌だとなります。

しかし、この本で訴えているのは、なぜこのような戦争が起こったかのプロセスを考えることで自分の戦争観を確固たるものにできることだと思います。

プロセスを把握することで、このような戦争を二度と起こさないと論理に基づいた訴えができるのではないでしょうか。「戦争は嫌だ。」だけでは感情論で終わってしまいます。

著者は、そのプロセスの根本は日本の軍事制度にあるのではないかと考えているそうです。その部分を以下に引用します。

私なりに答えは見出したと思うのだが、究極的には、「日本の軍人の教育制度と内容」に基本的な過ちがあったのではないかというのが結論となった。どういうことか。それは日本独自の軍事学を持たなかったということである。(中略)このメカニズムを正確に解剖することで、太平洋戦争の多くの部分は解明できると、私は考えるに至った。

『太平洋戦争への道』より

この本を読んで、たしかに軍部が作戦を立てたり指揮を執ったりすると、勝つことに執着しすぎて何のために行うのかが見えにくくなるのかなと考えました。

本書では、「大義」と表現としていますが日中戦争・太平洋戦争とともに大義のないまま進んでいったことが判断を正常ではないものにしてしまったのではないかと思います。

その答えとも言える部分を以下に引用してみます。

私たちの国が日米開戦へ行きつくまでの政策の基本的なプログラムには、大局的な歴史館が残念ながら欠落していました。それは、軍事主導の政策決定がもたらした、最大の欠点だと思います。私はそれを残念に思うし、それを教訓として学ばなくてはいけないというのが、率直な気持ちですね。

『太平洋戦争への道』より

また、それと同時にメディアの影響も大きかったのだと考えます。日本の国際連盟の脱退や五・一五事件の報道など、国民の感情を煽っていった背景が本書に書かれていました。

確かに今も、テレビやネットのニュースなどはかなりの影響力をもっており政治ともかなり近い位置にあると思っています。なので、正しい情報を見極めていかないと、当時のように自然と危ない方向にいってしまうのではないかと思っています。

私がこの本で学んだことは、「大義」を見失わないこと、戦争観や歴史観を構築していくこと、メディアを見極めていくことです。

様々な角度から考えていくために、この本以外の本も読んでいきたいと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です