『なぜ戦争をえがくのか』という本を読んで、最近はそれに関連する本をよく読んでいます。
今回は、その本の中でインタビューを受けていた後藤悠樹さんの著書を読みました。後藤さんは写真家の方で、サハリンを中心に写真を撮っています。
ジャンルはノンフィクションです。今までノンフィクションというジャンルをあまり読んでこなかったのですが、本書を読んでもっとこのジャンルを読み漁りたいと強く思いました。
それだけ、言葉や文章に対して心が動かされサハリンという土地に興味を持ちました。また、やはり写真が素晴らしい。写真一つでサハリンの厳しい寒さや広大さ、人々の生活の様子が伝わってきます。
私がこの本を読んで感じたことは、戦争という大きな暴力によって人生が大きく変わった人がいる。日本人だけではなくロシアや朝鮮の人々とサハリンで残留している人がいる。このことを憶えておきたい。
これも一つの戦争の体験だと感じます。実際に残留した方の体験を読むことで、いろいろなことを想像しました。今はさらっと話していることが、当時はどんな思いだったのか。
私は、この本の物語についてできるだけ想像してみたいと思います。想像することで、自分の生き方や未来を考えるきっかけになるからです。
最後に、著者の言葉を引用します。
もうあと10年もすれば、私たちはまたひとつの世代を見送ることになるだろう。その時にはこの写真のもつ意味ははっきりと理解できるのかもしれない。私たちが日々暮らしているなか、樺太からサハリンへ生きる一片の人生が、どこかで共にあることを願う。
『サハリンを忘れない』より
最後までお読みいただきありがとうございました。