「この世界の片隅に」鑑賞後の感想

先日、「この世界の片隅に」という映画を観に行きました。この映画の存在自体は知っていたのですが、ふとしたきっかけで観に行こうと決心しました。

あれは、吉祥寺の古本屋でのこと。写真集を中心においてある本屋でしたが、ふと奥の棚をみたところ、「この世界の片隅に」の3巻セットがありました。

ちょうど、自分が調べていたテーマ「戦争」に合致するものだっので即決、衝動買いです!

早速家に帰って読みました。戦争の悲惨さというよりは、当たり前にあった日常が失われることによる人々の感情の揺れをとても細かく描いた作品だと感じました。

いかに家族みんなで食べるご飯や、子どもが外で元気に遊ぶことが有り難いことなのかを感じることができました。

原作を見て、映画をなんとか観たいと調べた結果、田端の「シネマ チュプキ」という映画館で上映していることが分かりました。

なんと、その中で8月11日は監督の片淵須直さんの誕生日祝いを兼ねた舞台挨拶があるとのこと。

その日は、「この世界の片隅に」、「<片隅>たちと生きる 監督・片渕須直の仕事」、「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の3本を1日で公開するスペシャルな日でした。

奇跡的にこの日に予約をすることができ、1日で3本連続で観るという初めての体験をしてきました。結果は、3本ともあっという間に終わりました。

今まで映画というものにそこまで興味をもてなかったのですが、最近になって映画館で観る良さが分かるようになってきました。

シネマ チュプキでは音響がすごいとのことでしたが、本当に凄まじかったです。特に、防空壕のシーンと台風のシーンは、本当にその場にいるような臨場感を味わえました。これを経験するだけでも行く価値があります!

3本観た中で私が一番感動したのは、一番最初に観た「この世界の片隅に」です。正直原作の再現度としては「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の方が良かったです。

ちなみに「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は、以前読んだ「戦争と五人の女」を思い出しました。舞台も一緒だったので、戦争の中での女性の生き方をこの作品では感じました。

なぜこの世界の片隅に」が良かったか。それは、主人公のすずとすずの義理の姉径子との関わりがより一層強調されるからです。

ネタバレになるので詳しくは書きませんが、戦争という大きな暴力や人間関係に翻弄されたすずが初めて自分の意思で決断する場面が特に印象に残りました。

「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」にも同じシーンはあるのですが、様々な場面を描いているので別の場面の方が気になりました。

私はあまり泣いたりすることがないのですが、久しぶりに泣きそうになりました。今まで観た映画の中で間違いなくトップ3に入る作品です。

また、3本鑑賞したあとの片渕監督の舞台挨拶がまたとても良かったです。ほぼはじめましてでしたが、とても誠実で研究熱心な方だと思いました。

特に印象的だったのが、原作と違ったセリフを何故入れたかということの説明をした際のことです。

私なりに解釈すると、「戦争という悲しい体験を記憶していくことも大切だけど、楽しかった思い出や笑顔もすずに思い出してほしい」といったようなことでした。

だから、主人公のずずのセリフを変えたとのことでした。これ以外にも、カンボジアの難民の孫の方に楽しかった思い出を聞くなど、とても温かくて素敵な方だなと感じました。

「今を大切にして生きる」というメッセージをとても強く感じました。

何度も繰り返して観たいとても良い作品でした。

以上が、「この世界の片隅に」鑑賞後の感想になります。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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