『「最強!」のニーチェ入門』からニーチェの思想を学ぶ

今回読んだ本は、『「最強!」のニーチェ入門』になります。この本を読んだきっかけは、少し前に読んだ伊坂幸太郎さんの『ペッパーズ・ゴースト』にニーチェのことが書いてあったからです。

『ペッパーズ・ゴースト』から考えた3つのこと

私は、ニーチェのという哲学者の事は知っていますが、どのような思想・哲学なのかは全く知りませんでした。だからこそ、ニーチェの哲学を知り、『ペッパーズ・ゴースト』を再読したいと思います。

この『「最強!」のニーチェ入門』はとても読みやすい本でした。入門ということで、先生と女の子の対話形式で進んでいき、図解なども多いので非常にわかりやすかったです。

今回はその中から私が印象に残った三点についてまとめてみます。参考になれば幸いです。

1奴隷道徳

言葉だけ聞くと非常に恐ろしいですが、意味を理解すると納得できます。

現代に奴隷はいないから、そうだね、「社畜道徳」と言えばわかりやすいかな。たとえば、ものすごく過酷な環境でで働いている会社員がいたとするよね。普通だったら、そんな労働条件に文句をいうべきところを、ニコニコしながら受け入れて、「いやー、今月は100時間残業したよー」とまるで「よいこと」をしたかのように自慢する人たち。

『「最強!」のニーチェ入門』より

私も経験があります。20代の頃、そこまで過酷ではないですが、残業代も出ない中で遅くまで働いて達成感を得ていた時代がありました。

やはりその時も、若手だから遅くまで残らないといけない、先輩よりも先に変えるのは気まずいという偏った価値観に支配されていたように感じます。

高校まで野球部だったのですが、そこで先輩・後輩の上下関係や理不尽さを味わってきていたので、あまり不思議には思っていなかったのですが冷静に考えるとやばいかなと今は思います笑

むしろ今の若い人たちのほうが、そのへんの微妙な価値観に敏感なので私も見習っていきます。

著者の方は、今は奴隷道徳ではなく、自虐道徳の時代になってきているとのことでした。自虐道徳とは、「残業100時間はありえないよね、まあやるけど」みたいな自虐で笑いに昇華させるような価値観のことです。

これも、笑いが取れるのなら面白いからいいやという現実逃避の一種になってしまっています。今の私の現在地はここかもしれません笑 

いや、笑っている場合ではないですね。がんばります。

2永劫回帰

永劫回帰?なんだか、「永久に繰り返しつづける」みたいな名前ですね。

いや、まさにそのとおりだよ。「未来永劫、回帰する世界」すなわち「永久に同じことを繰り返し続ける世界」だ。それが人間が想像しうるかぎりで「最悪の世界」だとニーチェは考えたんだ。

『「最強!」のニーチェ入門』より

いわゆる「無限ループ」というやつですね。辛い体験が、同じように次の人生でも起こりループしていく。確かに想像すると辛いことがよくわかります。

このような世界でどのように生きていくか。著者の方は、「今、この瞬間を力強く肯定して生きよう!」とおっしゃっています。非常にシンプルな答えですね。

私なりに解釈すると、日常の些細な一コマに幸せを感じられたらそれでいいといった感じでしょうか。家族で食べるご飯や、月が綺麗だとか、あいみょんの歌が最高だとか今ある幸せを感じることが大事なのだと。

ちなみに、ニーチェは未来というものはないと言っています。大事なのは今であると。だからこそ、今ここにある幸せをいかに自分で意識して味わうかが永劫回帰を前向きに生きていくために必要なことであると考えます。

3力への意志と芸術

ニーチェによれば、生き物は、必ず「常に自己の力を拡大させたい」という「力への意思」を持っており、それこそが生物本来の自然な欲求なのだとしている。とりあえずは、「力への意志=より強く成長したいという想い=生物本来の自然な欲求」という構図を頭に入れておくとわかりやすいと思う。(中略)

「力への意志=自分にとって『よいもの』を目指したいという精神的な欲求」

「芸術=自分にとっての『よいもの』を目指してそれを表現する行為」

『「最強!」のニーチェ入門』より

これは私にとって最も刺さりましたね。まず「力への意志」は私も共感できました。より高みを目指したいからこそこのブログを書いていて、表現をしているということを改めて考えました。

私のこのブログという表現はニーチェの言葉を借りると一つの芸術と言えるのかもしれません。自分にとっての良いものが何かということをこのブログで追求し、いつか多くの人に読まれ糧になれば良いと考えています。

そのために、表現なども今後も磨いていき、より良いものを作っていきます。うまくまとめたところで、おわりにします笑

以上が、『「最強!」のニーチェ入門』からニーチェの思想を学ぶになります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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