『二宮翁夜話』を読んで二宮尊徳に触れる

今日は二宮尊徳さんの本を読みました。『二宮翁夜話』という本です。この本ですが、国分寺の胡桃堂喫茶店で行われている、「ゆっくり、いそぐ」読書会の課題図書なのです。

新たな本や出会うはずのなかった人たちとの交流を求めて参加しました。読書会に参加して感じたことについては、今後このブログに書いていきます。

二宮尊徳と言えば、二宮金次郎像が有名ですよね。薪を背負いながら読書をするという、超勤勉なイメージがあるのではないかと思います。

本書は、そんな二宮尊徳が語ったり諭したりしたことをまとめた本です。その中で私が特に印象に残っている部分について引用を交えながら書いていきます。

参考になれば幸いです。

1天道・人道の論

翁はこう言われた。世界はめぐりめぐって止むことがない。寒さが去れば暑さが来、暑さが往けば寒さがまたおとずれ、夜が明ければ昼となり、昼になればまた夜となり、また万物生ずれば滅び、滅びればまた生ずる。(中略)これが天理の常である。しかし、人道はこれとは異なる。なぜならば、風雨に定めがなく寒暑が往来するこの世界に、羽毛もなく、鱗や殻もなく、はだかで生まれてきた人間は、家がなければ雨露をしのぐことができず、衣服がなければ寒暑をしのげない。

『二宮翁夜話』より

天道、すなわち自然に任せっぱなしにしてはいけないということですかね。人間は自然のま

までは生きていけないので衣服や住居が必要になるということだと解釈しました。

『二宮翁夜話』には、この天道と人道についての記述がかなり多くみられるので、この本にとっての重要ワードなのかなと考えました。

次の考えも二宮尊徳さんの重要な考えだと個人的には思います。

2人道は中庸を尊ぶ水車の譬

翁はこう言われた。人道はたとえば水車のようなものである。その形の半分は水車に従い、半分は水流に逆らって輪が廻る。人の道もそのように天理に従って種を蒔き、天理に逆らって草を取り、欲に従って家業を励み、欲を制して義務を思うべきである。

『二宮翁夜話』より

人道は中庸だそうです。私の解釈だと、自然に従うところと自然に抗って自分の位置で行動することのバランスをとることが大切であるという感じですかね。

中庸とはおそらく同じバランスのことなのかと思いますが、どうなんでしょう。欲に従って~の引用文を読む限りでは、自分の都合のいいように解釈してバランスを取ってもいいのではないかと考えました。

自分のやりたいことはやりつつ、それが人のためにもなり、最低限のルールは守るということが個人的には大切にしていることです。

3人道は譲りにあり

そこで人道は、欲を押え、情を制し、勤め勤めてなるものだ。(中略)好きな酒をひかえ、安逸を戒め、欲しい美食・美服を押え、分限の内からさらに節約し、余裕を生じ、それを他人に譲り、将来に譲るべきだ。これを人道というのである。

『二宮翁夜話』より

これは、二宮尊徳さんの報徳思考に関わることが大きいと思います。

「報徳思想」とは「至誠(しせい)」を基本とし、「勤労(きんろう)」「分度(ぶんど)」「推譲(すいじょう)」を実行するという考え方で、この「報徳思想」を実践するのが「報徳仕法」です。二宮尊徳は報徳思想を広め、実践することにより、ききんや災害などで困っていた多くの藩や村を復興しました。

https://www.city.moka.lg.jp/toppage/soshiki/bunka/3/houtokusamitto/703.html

自分の分をわきまえて、身の丈に合った生活をしたほうがいいということですかね。それで余ったものを未来に譲っていくということが大切であると。これは本当にそう思います。

これからの若い人たち、子どもたちのためにいろいろと譲っていこうという気持ちはこれからも忘れないでもち続けようと思っています。

ただ、分度をわきまえて倹約をするのはなかなか難しいです。お酒は飲みすぎてしまう、まだ衝動的にお金を使うこともあるので、後悔することがまだまだあります。

でも、例えば素敵な絵が一枚あってそれを衝動的に買ってしまう行為はどうなのでしょう。だめですかね。それで生活がきつくなってしまうと分をわきまえていないということになるのでしょう。

その部分は、今後気を付けて実践していきたいと思います。

この本を読んで、二宮尊徳さんのなんとなくの人となりは分かりましたが、実際の姿をもっと追求したくなりました。二宮尊徳記念館にいってみたいなあと。

実際はかなり厳しいけど、すべてを予測し見通している素敵なおじいちゃんかなあと思いました。

以上が『二宮翁夜話』を読んで二宮尊徳に触れるになります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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